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​光を使ってエネルギーを産生する

出芽酵母を構築しようとしています

 ATPは,生体内のエネルギー通貨とよばれる物質です.ATPの多くは細胞内のミトコンドリアと呼ばれる場所で作られています.食べ物から得られるエネルギーは,生体内で還元力に変換され,さらにミトコンドリアにおいてプロトン勾配という形に変換されます.最後に,プロトン勾配のエネルギーからATPが合成されます.これが,細胞呼吸と呼ばれる現象です.

 一方,ロドプシンとは,光感受性のタンパク質です.ロドプシンには多くの種類がありますが,デルタロドプシンと呼ばれるタンパク質は,光エネルギーをプロトン勾配に変換できることが知られています.

 そこで,私の研究では,工学的に古くから利用されている出芽酵母に対して,デルタロドプシンを組み込み,光を使ってATPを再生する能力を付与しようとしています.光を用いてATPが再生できれば,薬剤の添加や代謝改変を伴わずに,出芽酵母の増殖や物質生産効率を改善できると期待しています.

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